自転車レース女子Qリーグ・ジュニアNリーグ:速報ブログ

自転車女子Qリーグ・ジュニアNリーグ実行委員会事務局がお伝えする、女子とジュニアの自転車レースとニュースをお届けします!

1/28第5回わたらせクリテリウム併催スキルアップ!オフロードスクール:レポート

QNリーグ事務局です。
栃木県栃木市の藤岡渡良瀬運動公園内にある「わたらせサイクルパーク」。こちらでおこなわれた第5回わたらせクリテリウムと併催するかたちで1月28日(土)、「スキルアップ!オフロードスクール」を開催しました。

<QNリーグ主催スクールの歩みと意義について>
スクールを主催したQ・Nリーグ実行委員会は、2020年より発足した女子対象の「クイーンリーグ(以下・Qリーグ)」、そして中学生男女対象の「ニューエイジリーグ(以下・Nリーグ)」を運営しています。そして関東や東北で開催される市民レースのうち年間・約13戦を「QNリーグ・シリーズ戦」とし、その毎シリーズ戦においてポイントランキングを集計し、トップになったリーグ選手を「ポイントリーダー」としてQリーグリーダーには「アメジストジャージ」、Nリーグリーダーには「バトルマリンジャージ」を授与し表彰します。そして3月開催の最終戦では、ポイントリーダージャージを守ったQリーグ、Nリーグ中学生男子N、Nリーグ中学生女子NWの選手に「年間ポイントリーダー」を表彰します。

このリーグ制度は2022-2023で3シーズン目を迎えました。そのうえで「今、手元に自転車はあるけれど、上手な乗り方を知りたい」「もっと自転車を乗りこなせるようになりたい」「レースにチャレンジしたい」という最初のステップ作りに注力する企画を進めるため、シクロクロスのレーステクニックをベースとした、どんな車種でも参加できる「スキルアップ!オフロードスクール」の企画を立案しました。

そして、栃木県栃木市藤岡町・藤岡渡良瀬運動公園内にある「わたらせサイクルパーク」において宇都宮ブリッツェンにご協力を賜り、昨年12月10日に初めてQNリーグ主催の自転車スクール開催を実現することが出来ました。ポイントとしては、先にも書いたように参加の際の自転車については種類を限定せず、更にオンロードだけでなくオフロードやパンプトラックも走りながら「自転車に乗るコツを掴み、楽しみ安全に走れるためのスクール」として実施しました。

<スクールレポート>
今回のスクールも「わたらせクリテリウム」の併催となるため、スクール参加者にはクリテリウムレース参加者もしくは関係者が多いと考え、午前の部でも午後の部でも参加OK、更には両方の参加でも途中抜けもOKとしました。当日は朝から良い天候となり、レース表彰ステージそばのスクール受付テントには、午前の部がスタートする午前10時には参加希望者が集まりました。

Photo:QNリーグ事務局

今回は3名の参加に対して、スクール講師はリーグアドバイザーの須藤大輔が担当、アシスタントにはリーグ事務局の須藤むつみが担当しました。両名ともに長年シクロクロス競技を続けており、須藤むつみは2000年の全日本選手権女子チャンピオンという戦歴を持っております。その長い参戦の経験を通して、シクロクロスという競技には自転車の各種目のメソッドが詰まっていると考えております。それはロードレーサーのようなドロップハンドルでフレームの形状も似ているバイクで、マウンテンバイクで走るようなタフなオフロードを走り、そのためにはBMXでのパンプトラックをこなす動きやバイク捌きも大事、且つトラックレースのように相手の動きをよく観察しながら速い流れにも対応する、という技術をスタートの瞬間から全て必要になります。

これは逆に考えると、どんな車種でも乗りこなせる最初の一歩に応用が可能になる技術となります。今回は、ちょうど参加された方々の車種にはロードレーサーにマウンテンバイク、更にシクロクロスバイクの方もいらしたので、全てに使える「基礎の乗りこなしテクニック」を指導しました。

Photo:QNリーグ事務局

最初に各自の自転車の状態やヘルメットの装着などが大丈夫かどうか?をセルフチェック。それから毎回、自転車に乗る前にやってもらいたいオリジナルの「準備体操」を指導しました。特に朝一番の身体が完全に目覚めていない状態や、冬で寒い時は身体がこわばって動きが悪い時に、いきなり準備運動なしで動くと怪我の元になりやすいです。シクロクロスは秋から冬におこなわれるレースで寒い環境でハードに動くので、準備運動や体操は非常に大事なので、その意義とコツを指導しました。

Photo:宇都宮ブリッツェン

そして、いよいよ実走の開始です。今回は参加人数が少ないので、先ずは一緒にオンロード区間を周回しながら走りをチェックし、そのうえで普段の走りで気になるところを探りながら指導をさせてもらいました。次にシクロクロスで使う「素早い乗り降り」のコツを覚えていただき、スタート練習を交えながら2列になって隊列を崩さないように指定したルートを走りました。横だけでなく前後の走者の動きも確認しながら、隊列を乱さないようにして走り、走りでのウォーミングアップも完了します。

Photo:宇都宮ブリッツェン

その後は、更にオフロードで必要な段差や障害物をクリアし、身体の動きを覚えてからオフロードセクションを走ります。事前に平坦な芝生と林間を利用したショート周回コースを設定し、そのコースをスクール講師の動きを確認できるスローなスピードで最初はスタートします。

Photo:宇都宮ブリッツェン

オフロードをマウンテンバイクやシクロクロスで走れますが、いきなりロードレーサーでの走行は難しいのではないか?と思います。しかし、初めに自転車の動きを自分で確認できるスピードで走れば、タイヤの空気圧が高めでも基本はそのまま走れるようです。今回も最初に自分の自転車の動きやコーナーワーク、ペダルに乗って体重の移動を実感しながら走ることで、オフロードのような不安定な場所でも自転車をコントロールできスピードを徐々に上げることが出来ているようでした。

Photo:宇都宮ブリッツェン

コース内にある小山を駆け上る、少し難しいセクションでは、ポイントごとにコツを教えてバランスの崩れやすい不安定な体制からもスムーズに降車し、素早く自転車を押すという流れを復習することで覚えていただきました。

Photo:宇都宮ブリッツェン

Photo:宇都宮ブリッツェン

この後は、わたらせサイクルパークの名物でもある「パンプトラック」を使って走行練習。最初は真っすぐに走るパンプコースで自転車を押し出しながら、肘と膝を柔らかく使うコツを覚えてもらい、その後に周回するパンプトラックを走りました。一番、最初のスクールで動きが固かった受講者も、約2時間のスクール後半には身体全体を使って自転車をコントロールしながら走るという「スキル」をしっかり身に着けていました。最後には、自宅に帰ってからも自習出来る方法をレクチャーして終了としました。

Photo:宇都宮ブリッツェン

レースに付随するスクールというと、どうしても「スピードアップ」や「レースに勝つ方法」など短絡的な手段を知りたい方もいると思います。しかし、そのためにはもっと手前にある「スキルアップ」が大事だと考えています。自転車という2輪の乗り物を、如何に上手くコントロールできるか?を、もっと覚えてもらうことで、各自の体力を活かして安全に自転車を乗りこなせるための術として「スキルアップ」を、多くの方々に知っていただきたいと考えております。そのため今、既にレースで走れているライダーでもチェックを兼ねて受けていただけると、今後の更なる成績アップにも繋がるとも考えております。そして超初心者の方にも是非「スキルアップ!オフロードスクール」を受講いただき、1人でも多くの方々に自転車本来の楽しさを知っていただければと考えています。

スクールを受講したキッズレーサーが、この後の「わたらせクリテリウム」で3位入賞(Photo:QNリーグ事務局)

Nリーグ登録選手が優勝を決めるなど、レースでの活躍も期待(Photo:QNリーグ事務局)

このスクーリングが上手く軌道に乗ったら、QNリーグ各シリーズ戦の枠内や、他のレース会場の併催でスクール実施を広げていきたいとも考えています。その主催や実施についても、弊リーグだけでなく希望する団体や選手、元選手などにもリソースしアウトソーシングしていきたいとも考えております。

最後に、今回の企画に賛同いただき、ご協力いただきました宇都宮ブリッツェン様、そして場所をご提供いただきました、わたらせサイクルパーク様に、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

※次回は4/1の「わたらせクリテリウム」併催でスクール開催を予定しております。詳細が決定次第、こちらでもお知らせいたします。お楽しみに!!